ブリュッセルでパスポートと全財産を盗まれた話⑤

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悲劇の地・ブリュッセル南駅。

一縷の望みにかけて駅構内の遺失物センターへ足を運んでみる。

盗まれた鞄が捨てられた末に届けられていればいいんだけど・・・

 

自分「あの、出発前の電車内で鞄を盗ま...」

遺失物センターのおじさん「盗難だと?そいつは俺の仕事じゃねえな!」

自「いや、盗まれた後に...」

遺「盗難の話は警察にしてくれ。」

自「えーとその、青い鞄が...」

遺「警察なら駅の外だ、さあ行った行った。」

自(ダメだ、このおじさんは全く話が通じない・・・)

 

言われたとおり駅の外にある警察の詰め所へ行ってみる。

そこで一通りの事情を説明して、警察の方と一緒に再び駅へ向かうことに。

 

警察官「もしかすると鞄が届けられているかもしれないから聞きに行こう」

自分(えっ、それってもしかして!?)

 

そして、辿り着いた場所は予想通り先ほどの遺失物センター。

 

警察官「こんにちは、ちょっといいですか?」

遺失物センターのおじさん「ああ、おつかれさまです。どうぞどうぞ。」

自(さっきと態度が全然違うじゃねえか・・・)

警「この方の盗まれた鞄が届いてないですかね?青い鞄なんですけど。」

遺「えーと、青い鞄ですか。うーん、今日は届いてないですね。」

自(最初からそう答えてくれよ・・・)

 

こうして微かに残っていた希望すら潰えてしまった。

ただ、警察の方と話している時に、ホテルでパスポートのコピーを取っていたことを思い出せたので、それだけは収穫かもしれない。

コピーでもないよりはマシなので、とりあえずホテルに向かってみることにする。