ブリュッセルでパスポートと全財産を盗まれた話③

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どうにか交番へ辿り着いたものの、日曜日はまさかの休業。

いっそのこと110番してやろうかと思ったけど、ここはベルギーなので恐らく警察には繋がらないだろうし、電話で上手く意思の疎通ができる自信もない。(後で調べたらベルギーで110番にかけると迷子用ダイヤルに繋がるらしい)

 

もはや全く打つ手がないので、大通りに出て警察が通りかかるのをひたすら祈ることにする。

そんなに都合よくはいかないだろうと思っていたけど、案外3分もかからず白バイがやって来た。

悪運が少しは残っていそうだと思いつつ、白バイ隊員に事情を伝えたところ、人をよこすので交番で待っていろとのこと。

 

5分くらい交番の前で待っているとパトカーがやってきた。

交番ではなく車内で調書を作るらしく、今世でのパトカーデビューをベルギーで飾ることに。(決してめでたいことではない)

5W1Hで盗難の被害について淡々と聞かれ、あっけなくポリスレポートが完成した。

 

今後のことを相談してみたところ、やはり大使館のあるブリュッセルへ戻るのが無難そう。

ひと通り話が終わったところで、警察官(自分と同年代くらいのイケメン)が唐突に質問してきた。

警察官「ところで、日本人だったらYouもポケモンGOやってるんだろ?」

自分(とんでもなく話をサイドチェンジしてきたな…)

自「まあ、一応やってはいるけど…」

警「せっかくだからボックスを見せてくれよ」

自(せっかく…とは?…)

 

充電器も盗まれた鞄に入っていたので、電池の残量を気にしつつ、恐る恐るポケモンGOを起動したiPhoneをイケメン警察官に渡してみる。

警「やっぱりポケモンの本場は違えんだな」(尊敬の眼差し)

果たしてこんな調子で日本に帰ることができるんだろうか。

 

つづく