ブリュッセルでパスポートと全財産を盗まれた話②

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拙い英語で車掌さんと話をした結果、このままアムステルダムへ向かうのはまずい模様。

シェンゲン協定に加盟していて国境に検問がないとしても、パスポートを持っていない場合は不法入国になるらしい。

あと、日本へ帰るためにはパスポートを盗まれたことを警察に証明してもらう必要があって、ベルギーで盗まれた場合は当然ながらベルギーの当局に被害届を出さなければならないとのこと。

それゆえに次のアントワープで降りて、警察にポリスレポートを発行してもらうことに。

 

海外の駅って警察の人がウロウロしている印象が強かったのだけれど、アントワープには全く警察の人がいないし、そもそも駅の構内を歩いている人すら疎ら。(日曜日だから?)

駅の構内にある警察官の詰所へ行ってみたものの、「出動中だからいないよ」って張り紙が掲示されている。

そんな状況で駅の中を彷徨っていたら大きなライフル銃を持った軍人さんを見つけたので、躊躇なく声をかけてみる。

 

自分「鞄を盗まれて警察官の人を探してるんだけど…」

軍人さん「警察なら向こうに詰所があるよ」

自「いや、出動中で誰もいなかったんだよね」

軍「誰もいないなんてことないだろ、俺らも一緒に行くから確かめてみよう」

アントワープの駅は人気があまりない割にはだだっ広く、スーツケースを引きずりながら200メートルくらいの道のりを戻ることに。

 

まあ、そんな短時間で出動中の警察官が戻ってくるわけもなく…

軍「ホントに誰もいないんだな」

自(だから、そう言ったじゃん…)

軍「駅から少し離れたところに交番があるから、そこへ行くといいよ」

自「どうやって行くの?」

軍「今歩いて来た道を戻って」

自(また200メートル歩くのかよ…)

軍「右に曲がって500メートル」

自(めっちゃ遠いじゃん…)

自「そこにも誰もいないなんてことないよね?」

軍「誰もいないなんてことないだろ」

自(このセリフさっきも聞いたぞ…)

 

軍人さんに言われたとおり歩いてみると、確かに交番があった。

入口にはまた張り紙が掲示されている。

『日曜日は閉鎖』

 

つづく