ブリュッセルでパスポートと全財産を盗まれた話④

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アムステルダム行きを諦め、ブリュッセルへ戻る電車に乗り込む。

ただ、よくよく考えてみるとアントワープからブリュッセルに戻るチケットを持ってないし、当然ながらチケットを買うお金もない。

もしも検札に出くわした場合はお得意(笑)の英語で事情を説明するしかない。

果たして、説明すれば許してもらえる話なのだろうか…

 

しかし、旅行中の「もしも」って大概は裏目に出るものだったりする。

そして、それは今回も例に漏れず…

 

車掌「チケット見せて」

自分「アムステルダム行きの電車で財布とパスポートを盗まれてしまって…」

車「チケット見せて!!」

自(こ、こいつ英語が通じない!? もしくは、チケット持ってないやつ絶対許さないマンなのか…)

自「いや、財布が…」

車「チケット見せて!!!!」

自(話が通じそうにないから、行きのチケットを見せてみるか…)

 

チケットを手にした車掌が端末でバーコードを読み取る音が聞こえる。

ついに、ここで万事休すか…

 

車「はい、どうも」

自(これでいいのかよ…)

 

こうして、綱渡りながらも宿命のブリュッセル南駅へ戻って来ることができた。

 

つづく